1:基本構造体

厚さ30mm の砲金ブロックを採用し、内部を削り込み、すべての部品をダイレクトに密着させています。砲金は銅と錫の合金で、その名の示すとおり元々は銃砲に使われていましたが、音響機器にはアナログ時代、重量級ターンテーブルの軸受けにわずかに使われてきただけです。銅よりも硬度は堅く、材料コストも遙かに高価で、加工性も真鍮より悪く製作コストも高価なものとなります。真鍮は銅と亜鉛です。イルンゴでは砲金を磁気歪みの少なさと響きの柔らかさに着目して採用しています。


2:ボリュームパーツ

抵抗素子はコンダクティブプラスティック基板にカーボン皮膜を印刷塗布したものを採用し、歪率悪化の恐れのあるトリミングをせず、選別によって精度を得ています。またすべては30mm厚の砲金削り出しブロックに直接密着させ、振動や磁気歪みから逃れ、音量調整の理想状態を確立しています。
摺動子は高品質のマルチワイヤによって信頼性を得ています。また摺動子を支える可動部分の質量を通常より大きくして、最低共振周波数を十分に低くしています。しかし適正値が存在するため、無闇に大きくはせず、十分な振動コントロールをしています。


3:入出力端子

WBT社の最高級グレードWBT1010に当社で改良を加え、ニッケルメッキの下地を廃して純銀の厚メッキが施されたものが採用されています。この端子が切り替えスイッチなどを通さずダイレクトに抵抗素子に接続されています。入力切り替えスイッチは音の力をスポイルするため、介在させていないのです。また、versionSNからは、取り付けナットもイルンゴ特製の樹脂削り出しナットに変更され、金属同士の接触による微小な振動を激減させています。



4:表面処理

超精密加工された砲金の表面は、磁性体であるニッケル下地を避け、銅メッキをで下地を整え、金の厚メッキ後さらにロジウムメッキがかけられています。下地に金メッキをした場合にのみ味わえる、深みのある光沢が滲み出てきます。
イルンゴでは表層振動を整える意味で、メッキの厚さもコントロールしています。


5:文字彫刻

ボリュウムという操作頻度の高い箇所で、手に触れるため印刷文字は長期間の使用で剥がれやカスレが発生します。そのためロゴ、型番は勿論、端子名称まで製作コストの高い彫り込み文字を採用しています。この結果、コスト追求に追われる現代の量産機器では味わえない風合いを醸し出しています。


6:本体下部

電気回路が金属によって閉ざされ、ワンターンのショートリングになるのを避けるため、
本体下部は電気回路が金属によって閉ざされるのを避けるため、絶縁体である樹脂を採用するとともに、バージョンSNからはさらに入念な防震構造が採用されています。



7:インシュレータ

インシュレータにはcrescendo205の為に開発されたsonoriteの最新モデル、sonorite-R(同等品)が採用されています。硬さの違う天然皮革をあたかもグラデーションの様に重ね、微細振動を吸収するにふさわしい適度な圧力で積層されたもので、十分な内部損失を有しながらも支点としての硬度を併せ持たせています。バージョンSからSNへの進化はインシュレータを含めた防震設計の進化が反映されています。


8:内部配線

animato-12S相当の純銀ケーブル同等の磁気シールドを施した特殊構造を採用しています。